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2024年6月25日火曜日

「手続き記憶」として一生活かせる!脳科学からみた受験生の勉強法

「わかる」とはどういうことか。

「わかる」は「分かる」と書きます。つまり物事を分解して考えられることを、「わかる」というのです。

「解ける」とは、入試問題を自分の既知レベル、教科書のレベルまで分解し、分解したものを解決しながら組み立て直す作業だと考えます。

「わかる」は試行錯誤を伴います。それまでの知識をフル動員して、なるほどそういうことだったのかと合点(がてん)がいくまで追求します。

一度わかっても、次にわかるとは限りません。解説やノートを見直すことはしょっちゅうあります。反復によって、少しずつ再生速度が早まり定着していくのです。

学習の反復で効果がでやすいのは、一度学んだ問題の反復でしょう。ちゃんとわかっているのか確認するのは同じ問題でいいのです。同じ問題が理解の確認は圧倒的に早い。忘れたころに期間をおいて取り組むのです。

ある問題で「わかる」「解ける」方法を納得できたら、他の問題でも活かせます。

手続き記憶、解くとはピアノを弾くと同じ

ピアノの練習を思い浮かべてください。ある曲を弾けるようになる、弾くために必要な技術を習得する。次の曲でちょっとだけ難易度が高い問題でまた新たな課題に直面する。乗り越える。・・・の繰り返しの中でどんどん技術を習得する。これとまったく同じです。

「わかる」=「問題を解く」=「ピアノを弾く」。これにいたる過程に取り組めるのは、手続き記憶のおかげです。

手続き記憶は、自転車に乗れるようになるとか、うまく楽器の演奏ができるようになるというような記憶で、同じような経験の繰り返しにより獲得される。一旦形成されると、意識的な処理を伴わず自動的に機能し、長期間保存される。内容によって運動性技能、知覚性技能、認知性技能 (課題解決)の3種が区別されている(脳科学辞典より抜粋、一部削除)

手続き記憶はどれだけ多くの問題を解き悩んだかによって蓄えられる、一生使える財産です。


「解ける」ようになるための竹下数塾の指導

学習がすすんでいる人たちはストップウォッチを使ってこんな勉強をしています。

  1. 1周目(1回め)解いた日付とかかった時間、できた問題には○、できなかった問題に×を書く。解答を読んで理解できたらノートに再現、再現できたら×を○で囲む。
  2. 理解できなかったら質問する。
  3. 2周目、3周目、(2回め、3回め)・・・・同様にくり返す。どんどん時間が短くなり間違わなくなります。
  4. 最初は大問ごとに、次第にまとめて解くようにします。
ポイント

1回めできなかった問題をきちんと理解すること。そしてノートに再現するとき絶対に鉛筆で解く。再現した答案を赤ペンで囲みましょう。

勉強するとはこの作業をいうのです。

私立高を受験する人は受験高の過去問(3~4千円)を購入して4,5回繰り返して解きます。解けた解けなかったは気にしません。解けなかった問題を理解しスムーズに解けるまで練習することが大事なのです。そろそろ始めないと間に合いません。

合格体験記

長崎の私立では日大高が目標校、滑り止め校として人気です。しかし大問の4番5番は高校の内容に近い。中学トップの子も対策しないと解けません。誰もが「難しかった」と言う中、日大高の4年分の過去問を4回解き直したYさん(小浜中)だけが「例年と一緒で難しいとは感じなかった」と伝えてくれました。Yさんの合格体験記を紹介します。

部活引退後、勉強せんばと思いながらダラダラしていた頃に塾に入りました。問題を解けば解くほどサボっていた自分が見えてきて自分の甘さに気づきました。
竹下先生に「何度も過去問を解きなさい」と言われ、同じ問題を解いて意味あっとかな?と不安でしたが、今思えば過去問を解かずして合格はなかったと思います。

この記事は2011年10月16日の投稿に加筆しています。当時から今の指導を続けています。

2023年3月1日水曜日

アタマとココロの正体

アタマとココロの正体/養老孟司 日経サイエンス編

医学と工学の最先端科学者たちがアタマとココロについて語る。

脳やこころといった未知の世界へ「エッ」と思うような、様々な分野からのアプローチが紹介されている。その分野の第一人者が研究への情熱を語る。まるで映画「マトリックス」のように、惹きこまれてしまう本。

彼らの気持ちは次の一行に集約される。

「小学生にもわかるぐらいの理屈なんだけれど、それが実感としてわかるというのはまた別問題。もし実感としてわかってしまったら、それから逃げられなくて。研究する上でも大前提となるんだ。」

連想した言葉を「マトリックス」から・・・・

「マトリックスの正体は誰に教わるものではない、自分の目で見るしかない」

世界を救うため、ネオが立ち上がったように、彼らもまた身体の奥から湧き出る衝動に突き動かされているのだろう。裏表紙から。「学問というのは極端に走らないと面白くない!」納得のキャッチコピーに拍手!

竹下評(2011.10.7掲載、2023再掲)


「こころがやどる場所」茂木健一郎

東大理学部物理卒、ソニーコンピュータサイエンス研究所専門は脳科学

脳のシステム論から見た意識が生み出される仕組みについて研究。「脳しかないのだ」「すべてはニューロンだ」と私がに至った経緯ケンブリッジの牧場で、草や牛を見ていたり、風を感じていたときに、ふと、これは外にあると思っていたけれど、実は全部脳の中で起こっているんだということに気づいた。

小学生にもわかるぐらいの理屈なんだけれど、それが実感としてわかるというのはまた別問題。もし実感としてわかってしまったら、それから逃げられなくて。研究する上でも大前提となるんだ。

「脳の構造と機能をめぐって」田中繁

理化学研究所脳科学総合研究センター視覚神経回路モデル研究チームリーダー

構造生みだす競争原理・・・・競争がなかったら秩序という概念はでてこない。秩序とは、なんらかの構造を持つ、一様ではないということ。それを突き詰めていったのが、自然選択説(=ダーウィンが樹立した自然淘汰説。生物種は多産性を原則としており、生存競争においてはより、適応した変異を持つ個体が生き残って子孫を残す可能性が高い、つまりより適した変異が伝わる確率が高い。こうして種は環境に適した方向へと変化する)。

本当の競争社会はそのシステムからはずれることができるというのが大前提。全然違うシステムでまた別な競争をやれる。とこらが日本ではそれを禁止する。要するに世間の構造でしばって、他人がやるようにしかできない。そうすると受験競争みたいな特定の競争になってくる。

「脳型コンピュータを目指す」/市川道教

理化学研究所脳科学総合研究センター脳創成デバイス研究チームリーダー

人口知能の研究にしても、意識的な処理、つまり脳で言えば大脳新皮質の機能ばかり追いかけてきた。けれど生物には「生存しなければならない」いう命題が与えられている。脳型コンピュータを作ろうとするとき、そういうところまで取り込まなくてはならない。生物を最終的に突き動かしているのは「欲」。欲は脳に「作り付け」。ドーキンスの「利己的遺伝子」によると、遺伝子が自らを残すために脳に「生きたい」という欲を持たせている。

予測された技術は必ず実現します。脳には、考えたものは必ず作り出すという法則があります。だから考えたほうが勝ちなんです。我々が見ている世界だって脳が作り出しています。我々は周りの世界が止まっていると思っていますね。頭を動かしても、部屋がぐらぐらゆれることはない。あれは、脳がそういうふうにしているんです。

2020年3月10日火曜日

豊かさとは...

豊かさとは「自分がやりたいときに、やりたいことをやれる能力がある」こと。

未来は、えらべる!バシャール&本多健 VOICEより

健:

好きなことをどうやって見つけたらいいのか。

バシャール:

毎瞬、毎瞬、ワクワクすることをやってください。その瞬間に与えられている選択肢の中で、自分がもっとも情熱を持てるものをやればいいのです。 そのように行動すれば、自分が持てる、より多くの対象やチャンスが引き寄せられてきます。
一番強い観念はそれがどんなものであれ、尊重しなければなりません。一番強い観念が、実現するからです。

20160702 読書メモを再掲
塾で学ぶ皆さんへ

体を鍛えるために走り込むように、頭を良くするために勉強します。なぜ頭を良くするのか?それはやりたいことをやる能力を身につけるためです。やれることが多くなると周囲の人から頼まれごとが多くなります。頼まれごとが多くなると、それが仕事となるのです。

「職業選択」という言葉がありますが、竹下は仕事は選ぶものではなく「出会うもの」だと考えます。自分が好きで得意なことを誰かが必要としていてそれが仕事になるのです。

竹下はオモシロイ!と思ったことを自分の仕事に活かすことばかり考えています。そうしてあなたと出会いました。あなたの良き力となるために、私は頭を鍛えています。

2019年10月17日木曜日

【紹介】心は思う仕事をする道具 心の積極(せきぎょく)

心の積極(せきぎょく)「心は思う仕事をする道具」 「肉体は活動する道具」

 十数年前、一冊の本に出会いました。「成功の実現」中村天風 (1988年刊 9,800円 財団法人天風会)です。

 門下生に原敬、東郷平八郎、尾崎行雄、山本五十六・・・、天風に共鳴し教えを自らの人生に事業経営に活かした人たちとして、ロックフェラー三世、松下幸之助、稲盛和夫の名が連なっている。

 この「成功の実現」から、中村天風翁の言葉をご紹介し、子供たちと向き合うための指針をお伝えします。題して「心のクリーニング」。

 人生で成功を目指す時、勉強や経験を重視しますが、もっと大事なことは「心の態度」。運命や成功も、学問や経験を豊富にしなければいけないと思い、健康や長生きは、肉体に施すサプリやスポーツが何より重大であるように思っています。でも実はそれらは二義的なもので、第一義は心の態度ではないでしょうか。心が積極的か消極的かで、人生に対する考え方が全然両極端に相違してしまう。

人生は一度限り。心の態度を終始一貫積極的にあらしめることです。それは尊く、強く、正しく、清く生きるということです。消極的な心をクリーニングして積極的な心で充満する。そのために天風翁は次の5つを掲げました。

  • 第3者の心になって自分の心を検討する。
  • 取り越し苦労をしない。
  • 言葉に気をつける
  • 感謝を先にする。
  • 心のクリーニング。
第3者の心になって自分の心を検討する。

 否定的な観念や消極的な考え方は絶対にもたない。そのためには、第3者の心になって、今自分の心は積極的かしら消極的かしらと、常に検討することが必要です。

 同情や批判を乗りこえて、自分の考えている事柄を積極か消極か「断定する」ことが大事。そして少しでも消極的なものを感じたら颯爽たる勇気を持って心の中から追い出してしまいましょう

取り越し苦労をしない。

 ほんとうに心配することを心配した場合でも、心配しなくていいことを心配した場合でも、結果は同じ。のべつなくまし、あれがああなったら、これがこうなって、これがこうなったら、ああなりゃしないかと、自分の気持ちを苦労と同居せしめて、しどろもどろの人がずいぶん世の中多い。取り越し苦労をすると自分の命を削る大きな損害がくるんだと知っておかれたいのです

言葉に気をつける。

 「困った」「弱った」「情けない」「悲しい」「腹が立つ」「助けてくれ」「どうにもならん」というような言葉が充満している中に生きているお互いは、価値のない感化を受けちまうことがあるのです。はたがどうあろうとも、自分自身は絶対に消極的な言葉を使わないことであります。不平不満が言葉にあるとどうしてもその言葉が積極的になりません。

感謝を先にする。

 人生は心一つのおきどころ。ささいなことでも感謝を先にして、(病や不運も)喜びでこれを迎えたならばお互いの住む世界はそれこそ黄金花作爛漫たる喜びの花園となります。

心のクリーニング

 体の汚れをとるためお風呂に入りますね。それより心の垢、汚れをとることが一番必要なんです。お風呂に入ると同じ気持ちで、これから毎晩、眠りにつこうとする前に心の中をお掃除する習慣をつけなさい。

 眠りにつくまでの間、何も考えないで眠りに入るのがほんとうの理想です。1日の疲れを休めて、また明日の命の蘇りをいただくために、夜の時間を安息の時として床の中に入る。寝掛けは非常に大事なのです。

 人間の寝際の心は無条件で同化する暗示感受習性があるんです。夜の寝際に考えたことは嘘でも本当でもそのまま潜在意識領に刻印される。

 (近代において最も影響力の大きな哲学者の一人である)イマヌエル・カントは自分の寝床に「ここで考えごと無用」の大きな張り紙をしたそうです。

できそうにない、という人のために・・・

 それは思えば思うほど楽しいことを思って寝るようにしてごらん。そのうちだんだん心がきれいになってくると「ああ今まで楽しいと思っていたことも思っちゃいけないことだ」と思えるようになるから。きれいな気持ちになって寝ることを一生けん命おやんなさい。』

心は思う仕事をする道具。心は思ったり考えたりする以外にする仕事がない。心が積極的になると、肉体から心が引きずられなくなる。

【紹介】なぜ繰り返すのか 脳科学からみた勉強法その1

生きていくために不可欠と判定してもらうため

長期記憶の保存場所は大脳皮質。容量は大きくないため必要な情報と必要でない情報の仕分けが必要。その判定をするのが「海馬」である。

海馬が生きていくため(生存)に不可欠かどうかを判定して長期記憶となる。その審査期間は約1カ月。知識を海馬に必要なものとして判定してもらうには、できるだけ情熱をこめて、ひたすら誠実に何度も何度も繰り返し情報を送り続けるしかないのです。

参考 最新脳科学が教える 高校生の勉強法★★★★☆
池谷祐二著 東進ブックス 945円

2018年10月16日火曜日

哲学者木田元先生の単語の覚え方

齊藤孝「偉人たちのブレイクスルー勉強術」より

たとえば単語帳で1日4ページずつ覚えるとします。

  • 1日目
    1. 日本語の訳語をみて英語を書いていく。
    2. 間違えたものには印をつける。
    3. 間違えばそれだけもう一度繰りかえす。
    4. 一応全部できるようになるまでやる。
  • 2日目
    1. 1日目の4ページを復習してから
    2. その日の分を同じようにしてやる。
  • 3日目
    1. それまでの8ページ分をやってから
    2. その日の分をやる。
    3. 3日くらいやると最初の日の分はほとんど間違わなくなるものです。
  • 5日やったら最初の1日目の分は外します。
    1. そうやってどんどんやっていきます。
    2. 毎日やらないとだめです。
    3. 時間はかかります。
    4. しかし毎日続けていると面白くなってきて、あまり苦になりません。

やり抜ける量に減らせば実行可能ではないでしょうか?

※これは2011年10月17日記事の再投稿です。

2018年10月12日金曜日

【究極の英単語暗記法】脳科学からみた勉強法




中高校生に伝えたい:究極の英単語暗記法。長崎の高校2年生の例です。

①半分以上知っている単語が並んでいる単語集を選ぶ。

②「必ず半分以上やるぞ」と単語集の真ん中に外から見えるように赤ラインを引いた。

③2ページ/1日覚えるとして各ページに日付を記入。実行したら日付を○で囲んだ。

④新しく覚えるのは夜寝る前だけにした。登下校時の2回通学車中でチェックした。

⑤高1の1学期から始めて夏休みに終了。夏休み中は付属CDを使って総復習。

⑥2学期から授業で読む英文の95%は知っている単語ばかり。ほとんど辞書を引かないのでスピーディに読めて英語が得意科目になった。

まねしたい工夫
意欲を継続する → ①②③
繰り返し方   → ④⑤
無理がない勉強量→ ③

学習した効果⑥が素晴らしいですね。勉強が楽しくなりそう。目標を達成したときの達成感は脳のA10神経を程よく刺激して、意欲を長期的に高めることができます。

参考
最新脳科学が教える 高校生の勉強法★★★★☆
池谷祐二著 東進ブックス 945円



2011年の記事の再投稿です。
2011年10月10日 11:31

2018年5月30日水曜日

【自超力】松田丈志 久世由美子

「自分を超える力」 成果を上げるため結果を数値化する

水泳選手の松田丈志さんは著書「自超力」で、数値化する、記録をとることがモチベーションに影響する、と言っています。

0.1秒0.01秒が勝負をわけるこの世界。それは人間の持つ能力で言えばほとんど差はありません。しかしそのたった0.01秒が、人生を大きく変えてしまうのです。

学習を細かく数値化せよと示唆を与えてくれました。学習や部活動に気づきを与えてくれる1冊です。読んでみてください。

以下引用。

目標を立てるだけでは、それに近づくことができません。ビジネスでもスポーツでも重要なのは「その目標を達成するために、何が足りないのか、その目標までにどれくらい距離があるのか」を的確に分析することです。

(シドニー五輪の選考会で日本代表入りした選手との)タイムにして7秒差。(p16)
この7秒がイコール自分とオリンピックを隔てる「差」でした。つまりこれを縮めなければ目標はかなえられないことになります。暗闇に遠い目標を見据えるよりも、目先の7秒という具体的な目的がおかれることで、トレーニングメニューや練習に励む心構えは変わります。(p17)

失敗の確率をさげれば、その分成功の確率は上がります。私が練習ノートを長年続けてきて実感するのは、記録することで同じ失敗を防ぐ効果が、間違いなくあったということです。(p20)

人間ですから、コンディションがいいときもあれば、悪いときもあります。(納得がいくタイムで泳げなかったときに) 「なぜ調子が悪かったのか」を客観的に考えていみることです。いつもより睡眠が足りていなかったのか、それとも食事に何か問題があったか。練習ノートを毎日つけているとそうした好不調の原因が特定しやすくなります。

すべては結果を出すために必要なことであり、また、一人前の社会人として、身につけて。おかなければいけないことでもあります。 私の28年の競技生活は、学びと発見に満ちたものとなりました。(p2,3)

2017年7月14日金曜日

ガンバレ高1!すららで苦手を絞りこめ!


中3で英検2級合格の高1女子がすららの小テストで高校英語のすべてと指数対数を巡回中。正答率80%以上で合格したレッスンは小テストの巡回から外していく。
あああああ、しつこいと嫌われないようにしなければ!!


2017年5月4日木曜日

【ひらけ、未来。】2040年。25年後を思い描くことからはじめよう。


【ひらけ、未来。】

※次の文章は2015.1.1フェイスブックページに掲載した記事です

2040年、君が今15才なら40才。君はどこで何をしていたいですか。「地方消滅」の人口変化率(※)を読むと、君も25年後の日本は今とまったく違う様子になっていると思うことでしょう。私は、ある高校の海外修学旅行の報告に「日本にとどまることが最大のリスク」とあったのを思い出しました。

▼なぜ勉強するのか?国語や英語は人の考えを知り理解するため。歴史はこれから出会う事態に過去の出来事を参考にするため。地理は歴史の背景を知るため。数学は論理的に、理科は科学的に考え行動するため。君が未来を築くため。

▼私は今年54才。この35年を振り返ると、高校時代はまるで人生の発射台です。どんな決断をしたかで方向が定まる。中高生のみなさん勉強しよう。何を理解したか何を身につけたかを意識して取組もう。将来どうなるのか今は何を見えません。それは当然です。君がどんなことを身につけているか、その先に出会いがあり、自分の役割に出会います。役割は次の出会いによって変化します。だから見えないのです。

▼なぜ勉強するのか。それは自分の役割に出会うため。その時々で最善の選択と出会うため。さあ一緒に、きみの未来を拓こう。
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「地方消滅」増田寛也編著(中公新書)より人口変化率。四捨五入は竹下。 
     2010年 → 2040年
■雲仙市
総人口  4.7万 → 2.9万(-38%)  
若年女性 0.43万 → 0.18万(-58%)

■諫早市
総人口  14.0万 → 10.3万(-26%)
若年女性 1.6万 → 0.8万(-50%)

■長崎市 
総人口  44.3万 → 31.9万(-28%)
若年女性 5.2万 → 2.6万(-49%)

2014年7月21日月曜日

【タブレットで教育効果は上がるのか】

【タブレットで教育効果は上がるのか】


パソコンなどなかった時代、どのようにして中高の数学を私たちは理解したのだろう?私の場合、その土台は幼少時の積み木や、学研の「科学」と「学習」で遊んだ経験、と振り返る。



「すらら」で立体を学んだ中1たちに正多面体の折り紙模型を組み立てさせている。時間はかかるが「正12面体の面は何角形?」とか、作る経験は記憶に残る最良の方法だ。
私は、高校教諭時代、数学授業へのIT導入の研究員として、関数ソフトの開発や、優良ソフトの授業への導入事例の研究に関わった。その結論は授業中「ワンポイントで」用いる。関数の連続的な変化を表現するのは確かに便利だ。(※参考を参照↓)

しかし具体的に表現できる道具であればパソコンの必要はない。例えば定義域の変化に伴う関数の最大最小では透明なシートに定義域を示すたて線を1本引いて横に動かすだけで事足りる。平行六面体は斜めに寄せたカステラ箱で代用だ。そんな工夫の引き出しをどれだけ持っているかは教師の優秀さの物差しだろう。

幾何学は、測量の必要性から古代エジプトや古代ギリシャで発達した。

三平方の定理は、多数の正方形が敷き詰められた石畳をながめていて気がついたとも言われる。” 斜辺の平方と他の2辺の平方の和が等しい”というこの美しい関係が、誰かの頭で中で閃き多くの人たちがその証明を競って考えたであろうことは想像に難くない。必要や関心・興味は人を突き動かすエンジンだ。

一通りの学習を終えた全国の中3に三平方の定理という知識を伝え、それを証明せよという課題をノーヒントで出したとき、全国で何名の中3がこれを示せるだろう?膨大な試行錯誤の経験が必要なのではないか?「身体感覚※」をともなわない「知識」から生み出されるものはない。

部活動では、スポーツや芸術の「身体感覚」を磨くためには膨大な練習をする。数学も受験で使いこなすなら「身体感覚」が必要がある。身に付く以前に横行するノウハウは「知っている」以上のなにものでもない。

タブレットで教育効果は上がるのか?
タブレットは先の”透明シート”や”カステラ箱”と同じ理解を促進する道具にはなるだろう。しかし身につけられるかは別問題。タブレットを用いて自宅でしっかり予習して授業の中で試行錯誤する。生徒の予習なしには授業は反転しない。指導は個別に向かうのではないだろうか。先生が生徒をどう動かしていくか、授業の指導観が問われることになると思う。
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※注「身体感覚」は、「2014年の論点(文藝春秋)」『タブレット教育は百害あって一利なし』(柳谷晃氏 数学者)の意見の中に見つけた。抜粋して紹介する。

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p246,247より抜粋------------タブレットPCを使えば、空間図形を様々な角度から見たり、動植物の本物のような画像に触れられる。一目瞭然である。しかし、それでよいのだろうか。空間図形を紙という平面に、自分の力でわかりやすく描く。紙の上で手を動かして計算する。そのような工夫の後に、自分が向かいあった事実に対する理解が生まれる。
知識の理解は、このような身体感覚を伴わなければ、応用できる知識にならない。(略)

まだ知らない分野があったとする。そんなことはいつでも起こる。その時、勉強すればよい。先生は言う。その分野を研究に使うときに、その分野を使っているという意識があってはいけない。その分野が自然に体からノートに移っていく。まさに、私の言う身体感覚である。これがないと、その分野を応用しようとする研究に障りがでる。

それは大学のレベルだと言うかもしれない。違う。因数分解により方程式を解くときに、因数分解は自然に体から手へ、そしてノートに移っていかなければならない。このレベルまで因数分解を練習することが必要なのだ。

タブレットに教科書が入っていたとしても、それをノートに写して、わからないところを埋め計算をくり返し元の教科書の3倍くらいのノートを自分でつくる。それぐらい体にたたき込む必要がある。
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【※参考】
windowsソフトだが次の教材は秀逸。7,8年前、長崎西高教諭時代から頻繁に使っている。
「パソコンで知る高校数学」
http://www.shimanet.ed.jp/minami/link/homepage-naga005/
関数ソフト「grapes」
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/grapes/


2012年3月6日火曜日

やる気になれない人たちには、何が足りないのか?

やる気になれない人たちには、何が足りないのか?

それは「勉強しろ、しろ」と言われることではなくて、
勉強を楽しくやっている、学びを人生の祝祭のように生きている人と出会うことです。
齊藤孝「偉人たちのブレイクスルー勉強術」より。