「わかる」とはどういうことか。
「わかる」は「分かる」と書きます。つまり物事を分解して考えられることを、「わかる」というのです。
「解ける」とは、入試問題を自分の既知レベル、教科書のレベルまで分解し、分解したものを解決しながら組み立て直す作業だと考えます。
「わかる」は試行錯誤を伴います。それまでの知識をフル動員して、なるほどそういうことだったのかと合点(がてん)がいくまで追求します。
一度わかっても、次にわかるとは限りません。解説やノートを見直すことはしょっちゅうあります。反復によって、少しずつ再生速度が早まり定着していくのです。
学習の反復で効果がでやすいのは、一度学んだ問題の反復でしょう。ちゃんとわかっているのか確認するのは同じ問題でいいのです。同じ問題が理解の確認は圧倒的に早い。忘れたころに期間をおいて取り組むのです。
ある問題で「わかる」「解ける」方法を納得できたら、他の問題でも活かせます。
手続き記憶、解くとはピアノを弾くと同じ
ピアノの練習を思い浮かべてください。ある曲を弾けるようになる、弾くために必要な技術を習得する。次の曲でちょっとだけ難易度が高い問題でまた新たな課題に直面する。乗り越える。・・・の繰り返しの中でどんどん技術を習得する。これとまったく同じです。
「わかる」=「問題を解く」=「ピアノを弾く」。これにいたる過程に取り組めるのは、手続き記憶のおかげです。
手続き記憶は、自転車に乗れるようになるとか、うまく楽器の演奏ができるようになるというような記憶で、同じような経験の繰り返しにより獲得される。一旦形成されると、意識的な処理を伴わず自動的に機能し、長期間保存される。内容によって運動性技能、知覚性技能、認知性技能 (課題解決)の3種が区別されている(脳科学辞典より抜粋、一部削除)
手続き記憶はどれだけ多くの問題を解き悩んだかによって蓄えられる、一生使える財産です。
「解ける」ようになるための竹下数塾の指導
学習がすすんでいる人たちはストップウォッチを使ってこんな勉強をしています。
- 1周目(1回め)解いた日付とかかった時間、できた問題には○、できなかった問題に×を書く。解答を読んで理解できたらノートに再現、再現できたら×を○で囲む。
- 理解できなかったら質問する。
- 2周目、3周目、(2回め、3回め)・・・・同様にくり返す。どんどん時間が短くなり間違わなくなります。
- 最初は大問ごとに、次第にまとめて解くようにします。
ポイント
1回めできなかった問題をきちんと理解すること。そしてノートに再現するとき絶対に鉛筆で解く。再現した答案を赤ペンで囲みましょう。
勉強するとはこの作業をいうのです。
私立高を受験する人は受験高の過去問(3~4千円)を購入して4,5回繰り返して解きます。解けた解けなかったは気にしません。解けなかった問題を理解しスムーズに解けるまで練習することが大事なのです。そろそろ始めないと間に合いません。
合格体験記
長崎の私立では日大高が目標校、滑り止め校として人気です。しかし大問の4番5番は高校の内容に近い。中学トップの子も対策しないと解けません。誰もが「難しかった」と言う中、日大高の4年分の過去問を4回解き直したYさん(小浜中)だけが「例年と一緒で難しいとは感じなかった」と伝えてくれました。Yさんの合格体験記を紹介します。
部活引退後、勉強せんばと思いながらダラダラしていた頃に塾に入りました。問題を解けば解くほどサボっていた自分が見えてきて自分の甘さに気づきました。
竹下先生に「何度も過去問を解きなさい」と言われ、同じ問題を解いて意味あっとかな?と不安でしたが、今思えば過去問を解かずして合格はなかったと思います。
この記事は2011年10月16日の投稿に加筆しています。当時から今の指導を続けています。