2022年3月18日金曜日

高校2年から始める過去問題研究。初巡でいかに負荷を下げて学習するかが重要だ。



大学入試問題を解く。制限時間10分の瞬発的巡回学習
諫早高2年Oさん、のちに九州大共創学部進学。

共通テスト過去問題が解けない。

高2になると数ⅡBも半分ほど終え、共通テストⅠAの範囲は学び終えている。過去問を解いてみよう。きっと君は唖然とする。なぜ共通テストやセンター試験の過去問題が解けないか?それは過去問を、基礎基本レベルに分解して分析する練習をしていないからだ。

さらに共通テスト数学では、問題文の読解力、状況を把握する力が求められている。「読めない人」は「解けない」。塾では現代文の大学入試参考書も取り組ませている。国語がすべての学びの土台にあるからだ。

分解作業、組立て作業

「わかる」は「分かる」と書く。つまり物事を分解して考えられることが「わかる」だ。受験では入試問題を教科書レベルまで分解できること。「解ける」とは分解したものを解決しながら組み立て直す作業といえる。

「わかる」は経験して覚えなければならない。同一教材を繰り返し練習して問題の分解の仕方を学ぶのだ。

入試問題の巡回学習 初巡が大事。

自分の学力に対して負荷が高い問題を解けるようになる方法は巡回学習しかない。初巡でいかに負荷を下げて学習するかが重要だ。

広大医学部に通うKさんは高2から東大入試向けの問題集を解き進めていた。県トップクラスのKさんは膨大な時間とエネルギーを一問に注ぎ込む。しかしなかなか進まない。自力で解くことに私がこだわらせ過ぎたのだ。指導法に行き詰っていた頃、 「7回読み勉強法」山口真由さんにヒントを得た。

「7回読み学習法」は、次のようにアドバイスする。

  • 最初に問題集を解くときには間違えるのは当たり前。
  • だから自分の出した答えが違ったとしても分析せず、
  • ただ正答に付された解説を読むだけ。
  • 正答とその解説だけが記憶に残せ。

画期的だった。次年度東大を目指す長崎東高生Mくんには一巡めの学習の「垣根」を下げて勉強させた。

「東大数学で1点でも多く取る方法 」(名著!)

Mくんは「東大数学で1点でも多く取る方法 」の過去問10年分60題を高2の2016.12月に解き始め、高3の6月高総体ごろまで半年かけて初巡を解き上げた。その後10月までに4か月間で4巡、合わせて5巡した。これは私にとって貴重な経験だった。指導法も次のように変わった。

  • 生徒が「わかった」と判断したことをさらに説明しない。
  • わかったかどうかは、周回してテストで確認すれば済むことである。
  • 疑問が解決しないときに、ともに考え理解を深める手助けをすればいい。
  • 目標を見失わせない、学習スピードを落とさせない。ことがもっと大事。
  • 生徒の状態を把握し、コーチとしてしっかりと伴走する。

初巡さえうまくいけばあとは反復して不十分な理解がないか点検する。今年(2022年)は多くの受験生が過去問題を巡回学習し全員が国公立大に合格した。

東大過去問巡回学習例

2019年3月東大文Ⅰに合格したOさんも夏休み1日12時間×15日間夏マッスルでこの問題集を2巡しました。