【高校1冊目の参考書】船登惟希(ふなとよしあき)著
角川出版1200円
「勉強するのが当たり前」という環境
進学校の「勉強するのが当たり前」という環境は、自分で勉強する人にとって価値がある。
どの参考書を使うべきか学校が指定してくれる。
どれくらい勉強しないといけないか先輩が教えてくれる。
でも、学校の教材も消化不良という人が多い。
地方の進学校は文武両道を掲げるところが多いから、部活をしたあと塾に行っていたら、市販の教材は確実に中途半端になる。
勉強以外の活動でアイデンティティを見つけると、その活動に力を入れ過ぎて勉強がおろそかになる人がでてくる。
成績の伸び悩んでいる人が市販の参考書を中途半端なままにして塾に通っても、それは何の解決にもならない。
成績が伸びないと言っている人は、市販の参考書を何度もやらずに塾や通信教育、家庭教師に救いの手をもとめる。
しかし完全に逆効果だ。参考書にかける時間がさらに減り、状況を悪化させるだけだ。
受験は点数を競い合う他人との勝負ではない。
高1であれば3年間という限られた時間の中で、どのレベルの問題集まで習得することができるか、1冊の問題集を何周繰り返すことができるかという戦いだ。
学習効率とは「限られた勉強時間の中で、参考書を何周繰り返すことができるか」を考えることだ。「どうやったら一回読んだだけで点数がとれるようになるか」ではない。効率を上げたかったらまず量をこなさないといけない。
よって常に時間を意識して勉強する必要がある。オリンピックだって同じ。大会当日だけ見ると「他人との闘い」のように見える。実態は4年間でどれだけ記録を伸ばせるかという「時間との闘い」。
結論は「参考書を使った自学自習力」の強化。
限られた時間の中で、どれだけ成績を伸ばすことができるかを考えると、行きつくところは「参考書を使った自学自習」になる。
参考書と向き合い、問題と向き合い、何度も繰り返し演習をして理解をしていく。こうした独学の時間をどれだけ作ることができるかが、志望校合格のカギを握る。