2019年9月20日金曜日

【エッセイ】夢はすぐそばにある。

「お母さん、問題集を三度解く!!って 効くねぇぇ!!」

化学の試験の日にこう言って帰ってきました。「??なんで?」と聞く母の言葉を遮って「100点だった。」 担任が化学の先生なので、帰りのホームルームで握手されたそうです。一流の進学校には遠く及びませんが、娘なりに自信をつけて、解ることの楽しさを身につけた様です。

これは長崎日大高アカデミーⅡブラスバンド部部長だったUさんのお母さまから2012年10月にいただいたメールだ。
大学進学後も折々に様子をお知らせいただたUさん。2016年「娘がマツダの技師に内定しました」と教室にお母さまが報告にいらっしゃった。念願のマツダのエンジニアに就職内定した。

マーチングが好きだ!練習後遅くなっても塾で勉強するUさん。

「出会い」。

マーチングをするため日大アカⅡに進学。部長として百名の部員をまとめていた。マーチングコンテスト前夜、夜遅くまで練習した後も遅れて塾で勉強したUさん。登下校途中に駐車しているRX-7のロータリーエンジン音に惹かれ「車を設計したい!」と工学部機械科を志した。 (参考 youtube)RX-7のロータリーエンジン音

第1志望の熊本大推薦入試。試験は口頭試問。問題を解いたあと、面接官の前で説明する。
未習の数Ⅲ微分積分の過去問を塾で補って対策。二十数問反復学習して「全部覚えました」というまで勉強した。
見事合格。Uさんは2013.4熊本大学工学部機械工学科に進学。

志望理由書の原稿

高3の秋、国立大工学部機械科の推薦入試で志望理由書を次のようにまとめた。

私の高校生活はマーチングに没頭した3年間だった。マーチングの魅力は皆の演奏と動きが見事に一致したときの達成感だ。県代表として九州大会に4回出場し高2から部長として100人あまりの部員をまとめてきた。
機械システム工学科を志望するのは、将来車の設計を仕事にしたいからだ。マツダRX-7FD3S型ロータリーエンジンの排気音を初めて聞いた時のゾクゾク感を忘れない。このときから「将来は車をつくってみたい」と思うようになった。
車は外観・加速感・排気音などあらゆるものが設計・調整されている。2万点もの部品が精密に組み上げられている。それはマーチングも同じだ。一人一人が奏でる音と動きと綿密に組み上げている。こんな共通点も私が車の設計にひかれる理由だ。

夢はすぐそばにある。

お母さま方へ。
Uさんの、リハーサル後に塾で勉強するひたむきさ。羨ましいですね。

そのエネルギーは塾で学ぶ全員が持っています。ただ、どこに向ければいいのかわかならないまま、くすぶっているように私には見えます。

気づかせるのは周囲の大人たちの役目です。興味関心好き嫌い得意不得意などに注目し子どもに見守ったり働きかけたりして未来に気づかせるのです。

子どもたちの、夢、目標、将来、未来は、日常にきっかけがあります。それに出会った人は必ず勉強します。勉強は受験勉強や学校の勉強に留まりません。夢を実現するためのすべての学びや訓練です。必要なことや不足を補うために必ず学びだします。

時には挫折する人もいます。でもそれを投げ出したとは思わないでください。成長している、と考えてはいかがでしょう。子どもたちが自分自身を振り返りながら、未来に向かって行動する限りそれは成長と呼んでいい。

自由になるために勉強する。

私はこどもたちに「自由になるために勉強するんだよ」と言います。やりたくないことをしない自由、やりたいことをやる自由です。