結論 何時から勉強したか を重視しよう。
毎日新聞の記事によれば、
- 記憶の定着作業は午後10時から午前0時のレム睡眠で効率的に行われる傾向にある。
- 午後9時に就寝すれば、記憶の整理や定着がはかどる。
- ある小学校では「眠育」によって中学校進学後の不登校がゼロになった。
受験期や定期考査の直前期、学習時間の確保が必要だ。「何時から学習開始したか」にこだわろう。「何時まで勉強した」は自慢できない。
塾のみなさんとLINEやGoogleChatで繋がっています。
勉強開始を報告してね、と案内する理由は、
何時から勉強したかが大事、と考えるからです。
この写真は2016夏休みのマスマッスル学習会。
わずか7年前ですが現在このような風景はありません。
コロナ禍はコミュニケーションの方法や人々の価値観を変えました。
自宅学習の質を上げるために、何ができるか竹下は考えます。
この記事は、生活習慣を整えよう、という提案です。
新聞記事の要旨
- 勉強・体験したことは、海馬に送られ、眠っている間に大脳新皮質へ送られる。
- この記憶の定着作業は、主に睡眠に約90分周期で訪れるレム睡眠の間に行われる。
- 特に午後10時から午前0時のレム睡眠で効率的に行われる傾向にあり、午後9時に就寝すれば、記憶の整理や定着がはかどるとされる。
- 早く寝ることで前頭前野の働きが活性化して授業にも集中できる。
寝ないと情報は廃棄される。
最新脳科学が教える「高校生の勉強法」
池田裕二氏は「高校生の勉強法」で睡眠の役割を次のように伝える。
- 脳に全く存在しない記憶は、いかに夢といえども作りようがないのです。
- 人はたった一晩でも膨大な夢を見ます。それらはすべて海馬の情報や、大脳皮質の記憶が夢の中で再現されているのです。
- 脳は睡眠中に、情報を様々な形で組み合わせ、その整合性をテストし、過去の記憶を「整理」しています。
- そしてどの情報が必要か、必要ないかを海馬が吟味しているのです。
- したがって、寝ないということは、海馬に情報を整理し選択する猶予を与えないということになります。
- 整理できないような情報は即座に廃棄されてしまいます。そんな情報は数日もたたないうちに消えてしまいます。p61,62から抜粋
スタンフォード式 最高の睡眠
「部活に忙しく宿題を仕上げるのに毎晩夜中の2時ごろまでかかっています」
高1女子のこの言葉に、西田精治氏の著書「スタンフォード式最高の睡眠」を読ませて注意した。
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所は世界一の睡眠研究所。西田氏は所長だ。
睡眠の役割は
- 脳と体に休息を与える。
- 記憶を整理して定着させる。
- ホルモンバランスを調整する。
- 免疫力を上げ病気を遠ざける。
- 脳の老廃物をとる。 がある。
中高生が学習と部活動の両立、受験勉強と夜遅くまで勉強して、それが覚醒中のパフォーマンスを落とす原因となっていたら元も子もない。
重要 寝入り時のノンレム睡眠90分を深くする
次の2点はとても効果的。竹下が実証済み。
・鼻で吸って鼻で吐く呼吸を意識する。
・眠る前、深くゆっくりと深呼吸する。
すると交感神経を落ち着き、副交感神経が優位になる。
世界のエグゼクティブ、トップアスリートほど眠りへのこだわりが強い。寝具、明るさ、室温など「睡眠時の環境」にはっきりとした好みがあるという。
自分のパフォーマンスを発揮できているか、ジャンクな睡眠をとっていないか、振り返ってみよう。
※ 塾では、お子さんの様子を見ながら必要とあれば20分ほど仮眠させています。
生徒さんへ。交感神経、副交感神経をネットで検索してみよう。
心は思うことをする道具
最後に、寝ることの重要性を、体や心を客観視する視点から書いている、中村天風の言葉を紹介します。
12年前に咽頭がんで3ヶ月入院しました。この言葉に私はどれだけ救われたことか。。
- 中村天風 「心は思うことをする道具」
人生で成功を目指す時、勉強や経験を重視しますが、もっと大事なことは「心の態度」。運命や成功も、学問や経験を豊富にしなければいけないと思い、健康や長生きは、肉体に施すサプリやスポーツが何より重大であるように思っています。でも実はそれらは二義的なもので、第一義は心の態度ではないでしょうか。心が積極的か消極的かで、人生に対する考え方が全然両極端に相違してしまう。