2026年4月11日土曜日
2025年10月15日水曜日
合格基準 ありのままの自分を伝える。
総合型選抜・推薦入試で自分をどう知ってもらうか。「ハーバード合格基準」 佐藤智恵
【ハーバード合格基準】
この本はハーバードが求める「ノウハウで実現するレベルではない力」を、ハーバードに合格した9名の20代の若者のリーダーシップ、情熱的な生きざまと彼らに共通する人物像を通して描いている。
読ませたい人
- 総合型選抜(AOアドミッションズ・オフィス)入試・推薦入試を考える高3
- 部活動キャプテンの経験がある高3
- 国際・経済・経営・法学志望の中高生
この本から学べること
- 勉強や進学の動機付けを高めてくれる。
- 総合型(AO)入試や推薦入試で自分をどう説明すればいいかわかる。
- 学校の先生も推薦書の書き方がわかる。
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ハーバードでは、これまでに達成したこと、直面した挫折とそこからどう立ち直ったかをエッセイにさせる。頑張ってきた人に失敗や挫折の経験がない人はいない。挫折をきっかけに自分を努力して変えた経験は何よりも説得力を持つ。それをエッセイにさせるのだ。
メモ
志望の動機にこの人はこういう人だという肖像が浮かび上がって来なくてはならない。
自分の奥にある情熱を言葉にできるか
これまでに達成したことを3つ、直面した挫折を3つとそこからどう立ち直ったかをストーリーする 。挫折をきっかけに自分を努力して変えた経験は何よりも説得力を持つ。
自分のやっていることに自信を持ってほしい。若い時は自分のやっていることが地味で些末(さまつ ささいな)に思えるが、実は一つ一つを再定義していけば価値あることだ。
人事・面接・転職活動そして経営大学院受験で求められるのは自分の仕事を価値あるものとして再定義することだ。その自分の仕事はリアルであればあるほど望ましいそこに選ぶ側は可能性を感じる。
今発展途上の自分を素直に伝える。これだけ現場で頑張ってきたからこそ失敗もしてきて、それによって自分を成長させてきた。ここまでは自分の力で頑張れるだけどこの先は更なるスキルがないと難しい。だからこそハーバードの MBA が必要なのですと。
(入学審査官が)すべてのエッセイ(応募書類)を読んだ後に一つのストーリーが伝わるようにしなくてはならない。ここで説得力を持つのは人生の目標を達成するステップとしてハーバード大学を目指している自分が、その情熱を持つきっかけになった原体験。
原体験ほどストーリーに説得力を持たせるものはない 。その軸となっているのは自分の情熱だからこそ、人生の目標を語るとき、情熱の始まりが分かれば後は目標に向かって自分が何をしたいしてきたかを選んで書けばいい。そのステップとしてハーバードで学ぶことがいかに必要かを伝えるのだ。
ストーリーを語る時に重要なのは始まりとエンディングだ。そこを決めてしまえば一貫したストーリーが出来上がる。そのストーリーの中で自分は決して惰性で生きた人間ではないことを伝えればいいのだ。
ハーバードが求めているのは仕事学業コミュニティ活動の全てにおいてバランスよく優れている人だ。つまり人間を全体で見る。応募書類を入学審査官が読み終わった時にこの受験生はこういう人だという肖像が浮かび上がって来なくてはならない。
アマゾンの創業者兼 CEO ジェフベゾス氏「君達は人生を惰性で過ごすつもりか、それとも情熱を持って生きるのか」。人生を惰性で過ごしてきた人には他人に語るだけのストーリーがない。情熱の数だけストーリーが充実してくるからだ。グローバル企業が欲しいのは情熱を持って生きる人だ。
ハーバードを含めトップの経営大学院では自分の人生を一つのストーリーとしてうまく伝えられた人が合格すると言われている。端的に言えば自分はこういう環境に育ちこういう人から影響を受けこういう体験をして今に至る。だからこういうビジョンに向かって進んでいきたいというストーリーだ。
リーダーシップ
メンバーがフェアだと思える仕事の分担をすること
全員が「ハレの場」があるように工夫すること
自ら汗をかいて率先して仕事をすること
最善を尽くしたつもりでも不満はでるし思ったように仕事をしてくれない人がいる場合もある。そこはリーダーの自分が全力でフォローした。
国籍や考え方など、多様なバックグラウンドの人々をリードすることによって、自分自身のリーダーシップと向き合った体験は、(杉田さん)にとって特別なものだったに違いない。
どんな組織でもヴィジョンが必要なのに、私たちはヴィジョンがないまま組織だけをつくりあげてしまったのです。せっかく集まったメンバーも何をやっていいのかがわからず、お互いのスキルや専門性を生かす場もありませんでした。
事実を連ねよ。
志望理由書や小論文を書くときのピラミッド原則。
この記事は、推薦・総合型選抜入試で書く志望理由書、小論文の構成を塾でどう指導するか書いています。
「君もそう思うだろう?」
Q:数学係の行動からあなたが類推することは何でしょう?
- 昼休み。1組の数学係が訂正ノートの束を抱えていた。
- 2組3組の数学係も訂正ノートの束を抱えていた。
A:あれっ、今日は数学の訂正ノートの提出日だったけ?!
「君がそう思うのは当然だ」と誰かが納得するのであれば、点検日であろうとなかろうといいのだ。志望理由書も同じだ。
「君が本校を志望するのは、当然だね」
と入試選抜者を納得させればよい話。そのためには、
「事実」をつらねよ!
「思い」ではダメだ。
指導例
志望理由書の原稿
マーチングが好きだ!
「明日コンテスト、今日は最終リハーサル」という日も、終わってから塾で勉強するUさん。

Uさんは高3の秋、熊本大工学部機械科の推薦入試で志望理由書を次のようにまとめた。
私の高校生活はマーチングに没頭した3年間だった。マーチングの魅力は皆の演奏と動きが見事に一致したときの達成感だ。県代表として九州大会に4回出場し高2から部長として100人あまりの部員をまとめてきた。
機械システム工学科を志望するのは、将来車の設計を仕事にしたいからだ。マツダRX-7FD3S型ロータリーエンジンの排気音を初めて聞いた時のゾクゾク感を忘れない。このときから「将来は車をつくってみたい」と思うようになった。
車は外観・加速感・排気音などあらゆるものが設計・調整されている。2万点もの部品が精密に組み上げられている。それはマーチングも同じだ。一人一人が奏でる音と動きと綿密に組み上げている。こんな共通点も私が車の設計にひかれる理由だ。
私は貴学での研究を熱望している。担任の先生の紹介で貴学を訪問し高校の先輩に会った。最新の設備と研究、先生方のきめ細い指導、充実した大学生活の話を先輩から聞いて貴学への憧れはますます強くなった。
車を設計する仕事に就くために、今取り組んでいることが2点ある。
一つは問題解決力をつけること。教科の学習は納得がいく解答が書けるまで何度も繰り返し練習している。二つはハイブリッド・電気自動車・燃料電池車など技術開発に注目すること。車は移動手段としてだけでなく、生活を楽しく演出する道具でもある。新しい技術から新しい乗り方も提案されることだろう。運転して快適で楽しい車を作るために、技術の動向を雑誌などで学んでいる。
私は吹奏楽部部長としてマーチングに取り組み、様々な問題をみんなで解決してきた。部員のみんなと納得できる演奏・演技を追求してきた。粘り強く取り組んだこの経験は、貴学での研究でも活かせると思っている。以上のような理由で熊本大学工学部機械システム工学科を志望します。
参考:「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」
「事実」を構造化する手順。
- 志望理由・プロフィールを伝えるメッセージをふせん紙に項目化。
- メッセージを論理的にグループ化し段落を作る。
- 段落のメッセージは下位グループの要約である。
- フォーマットに基づき、そのメッセージを文章を作成する。
1.志望理由・プロフィールを伝えるメッセージをふせん紙に項目化。
1. メッセージをふせん化
私の過去。幼児~小学校6年
- 子どもの頃にどんな家族の中で育ったか
- 子どもの頃はどんな子だったか
- 子どもの頃の最も重大な出来事は何か?
- 子どもの頃、楽しかったことは何か?
- 子どもの頃、苦労したことは何か?
私の現在。中高時代
- どんな部活動をしていたか?
- 生徒会活動やボランティア活動を経験したか?
- 中学や高校で、どんな友人や先生に出会いましたか?
- 一番得意な教科は? 好きな教科は? どんなふうに、なぜ、得意?好き?
- どんな事に価値を見いだしてきましたか?
- 長所と短所を説明してください。
- 特技や趣味を説明してください。
- 進路を考えるとき、どんな方向へ進みたいと思いますか?
私の未来。
- 何を学びたいですか?
- これからやってみたいことは何ですか?
- どんな勉強や研究をしてみたいですか?
- 将来どんな職業に就きたいですか?
- これからどんな生き方をしたいですか?
- どんな生き方に憧れますか?
A.きみの本気度をチェック
- その学問・分野を学びたいと思ったきっかけは何ですか?
- その学問・分野についてどんなアクションを起こしたことがありますか?
- なぜ、その大学・学部・学科でなければならないのか?
- 具体的に興味・関心があるものはどういうことですか?
- きみの志望がその大学・学部・学科に合致している理由を説明してください。
B.きみの壁をチェック
- きみはどのようなことに取り組んできましたか?
- なぜ、そのことに取り組みましたか?
- 活動する中で経験した壁(困難・課題)はなんでしたか?
- 壁をどうやって乗り越えましたか?そのプロセスはどんなでしたか?
- 壁を乗り越えるプロセスで気づいたこと、学んだことは何でしたか?
- うまくいかなかったことがあれば、その理由はなんでしたか?
- うまくいかなかったことについて、どうしたら解決すると思いますか?
C.きみのキャリアビジョンをチェック
- 大学卒業後に何をしたいですか?
- 大学卒業後にどうなりたいですか?
- 具体的な進学や就職のイメージがありますか?
2.メッセージを論理的にグループ化し段落を作る。
伝えるメッセージをふせん紙に書き出す。ふせんを論理的に構造化する。それをグループ化し段落を作る。上の段落は下の段落の要約である。Uさんの志望理由の場合、次のようなピラミッド構造だ。
最初に自己紹介で伏線(ふくせん)を張るのは、あとに続く段落を読んだ時、「君がそう思う(行動する)のはもっともだ」と思わせるため。ほのめかしておく。
マーチングに没頭、皆の演奏と動きが見事に一致したときの達成感、九州大会4回出場の実績、100人余をまとめたリーダーシップの伏線は、排気音を初めて聞いた時のゾクゾク感、車づくりとマーチングの共通点に気づくUさんの繊細さや情熱の表れだ。段落を読み進めるごとに、「君が機械科を志望するのは当然だ」と入試選抜者は納得したのではないか。上の段落は下の段落の要約だから、相手を納得させるまでその答えは準備済みだ。
メッセージをグループ化
構造は常に同じ

3.段落のメッセージは下位グループの要約である。
3. 段落のメッセージは下位グループの要約だ。

4.フォーマットに基づき、そのメッセージを文章を作成する。
4. メッセージを文章化、推敲。
あとがき
Uさんの志望理由書はすべて事実で構成されています。思いは事実の結晶です。事実が言える人の思いは、自然と伝わります。
2019年9月20日金曜日
【エッセイ】夢はすぐそばにある。
「お母さん、問題集を三度解く!!って 効くねぇぇ!!」
化学の試験の日にこう言って帰ってきました。「??なんで?」と聞く母の言葉を遮って「100点だった。」 担任が化学の先生なので、帰りのホームルームで握手されたそうです。一流の進学校には遠く及びませんが、娘なりに自信をつけて、解ることの楽しさを身につけた様です。
これは長崎日大高アカデミーⅡブラスバンド部部長だったUさんのお母さまから2012年10月にいただいたメールだ。
大学進学後も折々に様子をお知らせいただたUさん。2016年「娘がマツダの技師に内定しました」と教室にお母さまが報告にいらっしゃった。念願のマツダのエンジニアに就職内定した。
マーチングが好きだ!練習後遅くなっても塾で勉強するUさん。

「出会い」。
マーチングをするため日大アカⅡに進学。部長として百名の部員をまとめていた。マーチングコンテスト前夜、夜遅くまで練習した後も遅れて塾で勉強したUさん。登下校途中に駐車しているRX-7のロータリーエンジン音に惹かれ「車を設計したい!」と工学部機械科を志した。 (参考 youtube)RX-7のロータリーエンジン音
第1志望の熊本大推薦入試。試験は口頭試問。問題を解いたあと、面接官の前で説明する。
未習の数Ⅲ微分積分の過去問を塾で補って対策。二十数問反復学習して「全部覚えました」というまで勉強した。
見事合格。Uさんは2013.4熊本大学工学部機械工学科に進学。
志望理由書の原稿
高3の秋、国立大工学部機械科の推薦入試で志望理由書を次のようにまとめた。
私の高校生活はマーチングに没頭した3年間だった。マーチングの魅力は皆の演奏と動きが見事に一致したときの達成感だ。県代表として九州大会に4回出場し高2から部長として100人あまりの部員をまとめてきた。
機械システム工学科を志望するのは、将来車の設計を仕事にしたいからだ。マツダRX-7FD3S型ロータリーエンジンの排気音を初めて聞いた時のゾクゾク感を忘れない。このときから「将来は車をつくってみたい」と思うようになった。
車は外観・加速感・排気音などあらゆるものが設計・調整されている。2万点もの部品が精密に組み上げられている。それはマーチングも同じだ。一人一人が奏でる音と動きと綿密に組み上げている。こんな共通点も私が車の設計にひかれる理由だ。
私は貴学での研究を熱望している。担任の先生の紹介で貴学を訪問し高校の先輩に会った。最新の設備と研究、先生方のきめ細い指導、充実した大学生活の話を先輩から聞いて貴学への憧れはますます強くなった。
車を設計する仕事に就くために、今取り組んでいることが2点ある。
一つは問題解決力をつけること。教科の学習は納得がいく解答が書けるまで何度も繰り返し練習している。二つはハイブリッド・電気自動車・燃料電池車など技術開発に注目すること。車は移動手段としてだけでなく、生活を楽しく演出する道具でもある。新しい技術から新しい乗り方も提案されることだろう。運転して快適で楽しい車を作るために、技術の動向を雑誌などで学んでいる。
私は吹奏楽部部長としてマーチングに取り組み、様々な問題をみんなで解決してきた。部員のみんなと納得できる演奏・演技を追求してきた。粘り強く取り組んだこの経験は、貴学での研究でも活かせると思っている。以上のような理由で熊本大学工学部機械システム工学科を志望します。
2025.9月補足
2012年当時、電気自動車や燃料電池車はまだ一般的でなかった。2025年現在、いずれも車購入の選択肢の一つとなっている。
夢はすぐそばにある。
お母さま方へ。
Uさんの、リハーサル後に塾で勉強するひたむきさ。羨ましいですね。
そのエネルギーは塾で学ぶ全員が持っています。ただ、どこに向ければいいのかわかならないまま、くすぶっているように私には見えます。
気づかせるのは周囲の大人たちの役目です。興味関心好き嫌い得意不得意などに注目し子どもに見守ったり働きかけたりして未来に気づかせるのです。
子どもたちの、夢、目標、将来、未来は、日常にきっかけがあります。それに出会った人は必ず勉強します。勉強は受験勉強や学校の勉強に留まりません。夢を実現するためのすべての学びや訓練です。必要なことや不足を補うために必ず学びだします。
時には挫折する人もいます。でもそれを投げ出したとは思わないでください。成長している、と考えてはいかがでしょう。子どもたちが自分自身を振り返りながら、未来に向かって行動する限りそれは成長と呼んでいい。
自由になるために勉強する。
私はこどもたちに「自由になるために勉強するんだよ」と言います。やりたくないことをしない自由、やりたいことをやる自由です。
