2019年5月29日水曜日

「その服似合いますね」より「その服好きです」。好かれる人が無意識にしている言葉の選び方 中谷彰宏

竹下は中谷さん好きです。 好きを説明したいけれど、 今は、 好き好き好きと3回言います。 言葉にもサッカーと同じように勝ち負け引き分けがあります。 言葉の使い方で好かれる人とそうでない人に分かれます。 ×の言い方をすると嫌われます。 △は嫌われないだけで好かれるところまで行きません。 好かれる人は〇の言い方をします。 ×の言い方が悪いことはみんな分かっています。 〇の言い方を知らないととりあえず△でお茶を濁します。 そこにあと一歩で好かれる人になるチャンスが残っているのです。 ほとんどの人がその服似合いますねと言ってしまいます。 これは〇×△で言うと×ではなく△です。 好かれる人はその服好きですと言います 。 言われた側にとっては似合っているかより好きかどうかの方が大切です。 好きという言葉が強いのは似合っていなくても言えるからです。 時には似合っていない場合もあります。 似合っているかどうかは根拠が入ります。 好きには根拠が入りません。 「なぜかと言うと」より「残念」 残念予定入ってた、 「話が変わりますけど」より「それで思い出したんですけど」 本人は自分が「でも」が多いことに気付いていません。 せっかく美人なのに「でも」で損している人がいます。 それは誰も指摘してくれません。 どんな人も自分に賛成してほしいのです。 口ぐせに気づこう。 「言われてみると」より「なるほど」 好かれる人になるコツは「あーなるほど」と納得のスピードを速くすることです。 一流ホテルでは「こんにちは」と言います。 2流ホテルでは「いらっしゃいませ」と言います 。 一流ホテルであればあるほどお客様がホテルマンに挨拶をします。 フロントの前を通って出かける時は行ってきます、帰ってきたらただいまというのです。 フロントマンはそれに対して行ってらっしゃいおかえりなさいと返します。 この言葉遣いでは嫌われてチャンスをなくすということも分かっています。 言葉遣いがどんどんデリケートになって 相手を傷つける言葉を言わなくなるのです。 行ってきます。ただいま。ごちそうさま。美味しかったです。という生活の基本となるやり取りをおろそかにしないよう、母は私に徹底的に叩き込んだのです 。 日々小さな言葉を省かずに伝えることで デリケートにやるようになるのです。 「興味ないですよね」という否定から入るより 「詳しそうだなあ」と肯定から入っていけば好かれるのです。 スターバックスはマニュアルフリーの部分がたくさんあります。 ここのスタッフが自由にサービスできるのです。 スタバのサービスが良いのは良いサービスをするスタッフが多いからです。 きちんと研修もしていますが個人の自由度が高いのです。 普通はご注文はと聞かれて注文します。 一人のお客さんが「こんにちは、今日は?」と聞かれていました。 これは嬉しい言葉です。 常連のお客さんなら「いつもの」も覚えてくれているけど 「今日は違うものを注文しますか」と聞いているのかなと解釈します。 スタッフからすると「いつものですか」と言うと いつものを覚えておく必要がありますが、 「今日は?」ならその心配はありません。 今日はという言葉を投げかけるとお客さんを覚えやすくなります。 「以前その話は伺いました」より「勉強になります」と言えばいいのです。 相手は単に話を聞いて欲しいのではありません。 安心してほしいのです。 同じ話を何回も聞かされる人は 感心する試験に何回も落ちているのです。 三つ質問がありますより、ひとつ聞きたいことがあります。 3回繰り返す ではなく 一回で。 私は就活である出版社を受けた時、 会いたい人は誰か、その人にたった一つ質問するならどんな質問か、 という作文の問題が出ました。 たった一つというところに自分の生き様が集約されます。 一つに絞れない質問を出していると相手に覚えてもらえません。 大切なのは熱意を感じるかどうかです。 睡眠時間は何時間ぐらいですかと聞く人がいます。 この質問をする人は悪意はありません。 睡眠時間が短いとすごいと思っている人に、 睡眠時間が短いとすごいと思っている人が10時間と答えた場合、 意外に寝ているんですねと言われます。 何の調査か分かりません。 相手の仕事や人間性に対しての興味は全くない質問です。 相手に興味があるのにこの質問すると損をします。 トップアスリートが質問者に逆質問をするのは 意図がわからない質問をぶつけすぎだからです。 それ聞いて何を知りたいのと思うような意図のわからない質問は私も嫌です。 私は人を育てる仕事しているので 相手の人生にプラスになることを何かアドバイスしてあげたいのです。 講演会場で手を上げて 中谷さんはマンゴーとパパイヤだったらどっちが好きですか と聞かれても質問の意図がわかりません。 アイドルに聞くならまだ分かります。 それはアイドルへの興味だからいいのです。 私にフルーツの好みを聞いたところで 質問した人の人生がどう変わっていくのかよく分かりません。 意図のあやふやな質問では人生のプラスになるアドバイスを受けられないのです。 感じがいいのは「俺こういうのは好きじゃないんだよ」と言われることです。 好き嫌いをズバッと言ってくれるのは好感を持たれます。 「抽象的だ」より「なるほどそれは具体的にはどうなるかな」、 「私の考えすぎかな」より「私の考えすぎだね」、 「家に帰って調べてみろ」と言われた時、 「ありました」より「だらけでした」、「でも」より「その通り」。 相手がAで自分がB という意見の時に 「でも私はBだと思う」と言うとぶつかります。 時には反論しなければいけない状況もあります。 反論しないコメンテーターは面白くありません。 反論するときは 「その通りです、一方で B という見方もあります」という言い方をします。 A という意見もちゃんと立てながら一方でBという言葉で反論するのです。 反論する時ほど反論と思わせない言葉を使うことが大切なのです。 すべての逆接は順接で繋がればつなげられます。 相手が「これはAなんだね」と言った時は「いやBですよ」と言うのではありません。 「Aなんだよねそうさらには B なんですよ」と そのまま繋がったふりをしてB のラインや変えるのです、 ここで使う言葉は「さらには」です。 議論をする時にはネゴシエーション(交渉)があります。 お互いの意見が同じ時には何も悩みません。 相手と自分の意見が違うときに 自分の意見を持って行こうとして逆接の接続詞でつなぐと相手は抵抗します。 ボキャブラリーとして持っておいたたくさんの順接の接続詞をジョイントして あたかも相手が言ったかのように誘導するのです。 これはAなんですよと相手が入った時、 そうその通り 今あなたが言った通りのようにBなんですよと言います。 Aだと言われてもあなたが言ったように B ということで相手は納得します。 相手はそれほど細かく聞いていないのです。 こういうネゴシエーションは自分の意見が通っているかどうかが一番大切です。 どちらに結論が行ってもいいのです。 「できなくはありません」より「できます」。 「何回でも言うわよ」より「一回しか言わないよ」 「何回言えばわかるんだ」ということがあります。 「一回しか言わないよ」ということです。 いつも怒っている学校の先生も怖くないのと同じです。 反復すると相手の耳には届かなくなって険悪感だけが感じます。 相手が生徒の時は覚えさせるコツがあります。 生徒が黒板を一番真剣に見るのは消す瞬間です。 先生が黒板に書いているときは見ません。 「もうこれ消していい?」と言われて 「ちょっと待って」という瞬間に黒板を見るのです。 感じがいい言葉は一回しか言わない言葉です。 スピーチでも お気に入りのセリフは一回言えばいいのに何回も繰り返す人がよくいます。 本当にいい言葉は一回だけ言えばいいのです。