1. 経済学は「数学のことば」で書かれている
経済学部に進むと、ミクロ経済学・マクロ経済学・統計学など、ほとんどの授業で数学が使われます。
経済学部は、「文章で学ぶ学問」というよりも、数学で世の中を説明する学問だと思ってください。
- 需要と供給は「関数」で表す
- 価格の変化は「グラフ」と「微分」で考える
- 最大の利益・最小のコストは「最大・最小問題」で求める
- 国全体の動きは「データ」と「統計」でとらえる
数学がわかると、経済学の授業がすっと頭に入ります。
逆に、数学があいまいなままだと、授業が日本語なのに外国語のように感じてしまいます。

「入門 国際経済学」の1ページ。数式で説明が進む。
2. 経済学部では、数学は「必修」である。
- ミクロ経済学:関数・グラフ・微分の考え方
- マクロ経済学:指数・対数・成長率の計算
- 統計学:確率・平均・分散・標準偏差
- 計量経済学:データ分析(行列や統計ソフト)
毎年、数学を復習してきた人と、してこなかった人で理解度の差がはっきり出ます。
入学前の少しの準備が、1年生のスタートを大きく左右します。

「マンキュー・マクロ経済学I」の1ページ。
3. 高校数学のどこを特にやっておくべき?
- 数Ⅰ・A:一次関数・二次関数・グラフ・不等式と領域
- 数Ⅱ:微分(最大・最小)/指数・対数/確率
- 数Ⅲ:全範囲までは不要だが、「瞬間の変化を見る=微分の感覚」は持っておくと安心
このあたりを「完璧」ではなくても、基本問題を自力で解けるレベルにしておくと、大学の授業がぐっと楽になります。
4. 数学ができる文系は、就職でも有利になる
- 経営・マーケティングの数字分析が得意になる
- データ分析ができる「文系人材」として評価される
- 金融(銀行・証券・保険)やコンサルなどで強みになる
今の企業は、「数学とデータがわかる文系」を高く評価しています。
大学での学びと、その先のキャリアの両方に効いてくるのが数学です。
5. 高3受験期に、数学を徹底的に鍛えよう
高校最後の1か月の数学のがんばりが、
大学4年間の理解度と、その後10年の仕事の選択肢を大きく変えます。
「受験が終わったからもう数学はいいや」ではなく、
「経済学をしっかり学ぶための準備として、最後にもう一度だけ数学を整理しておく」
という意識で取り組んでもらえると、大学でのスタートダッシュが決まります。