2020年2月13日木曜日

目標は合格者平均点の得点力だ。

高校2年生、偏差値70超。なのにセンター過去問が解けない?なぜでしょう。

問われる深さが違って、練習しないと解けないからです。

目標〇〇大学合格というなら、過去問で合格者平均点を得点することを目標にしてください。

次の写真は高3Sさんのセンター試験過去問演習の記録です。すべての教科・年度で同様に反復学習しました。結果はセンター本番第1志望大学B判定で通過。

過去問が解けるかどうか。模試を受けなくとも、センター試験本番の過去問で得点力をチェックする。これが関わる皆さんに伝えたい竹下数塾の結論です。

過去問で学力を測る

上の写真では正答率を100%表示していますが現在はすべて⑩点評価です。センター試験や2次試験の過去問を解いて、大問ごとに⑩点満点自己評価してください。大学が公表する合格者平均点が6割ならば、すべて⑥点以上で合格です。たとえ⑤点でも、解けなかった残りを解説を読んで納得できたら合格の可能性はそれからの勉強で高まります。
医学部志望ならセンター試験過去問で常に⑨点をたたき出してほしいな。それができるから、医者なのです。

もっともそんなに単純なはずありません。この学習法で合格できるのは、問題形式やレベルに変化がない英検・数検、簿記などの資格試験に限ります。国立大学過去問では問われる深さと自分に足りない部分をチェックすることしかできません。結局、良質な問題集でもれなくまんべんなく丁寧な学習が必要です。

対策すれば当然でしょ、偏差値上がるのは。。

ある高校の数学科は宿題でベネッセなどの全国模試を徹底的に解かせます。恐るべしなんと学年中位まで全国偏差70台が続きます。以前は高3の10月11月まで模試演習を続けて高3まで圧倒的な全国偏差でした。ここ数年高3は入試過去問集を解いています。なぜか高3だけ全国偏差がグッと低い。理系は校内偏差が全国偏差と並んでいる。でも進学実績が下がったわけではありません。

模試を徹底的に演習して得た高偏差値は、=高学力?

偏差値は高いけれど、教科書準拠問題集が解けない生徒さんがいます。模試はある程度まで解けるように作られています。平均点が低いと模試の信頼性に関わりますから。すると「いつも出すタイプ」=出題頻度が高い問題を高校生はしょっちゅう解くことになります。反動として出題頻度が低いテーマの学習がおろそかになります。パターン学習では数学的な発想が拡がらないのです。
学力とは学ぶ力。インプットアウトプットする能力です。子どもたちに関わる大人は、彼らの時間や努力を何に向けさせるか。もっとていねいに検討してほしいです。

過去問で学力を測ればいい。

目指す大学がどんな学力を要求しているか知るためにも過去問を解かなければなりません。高校生活3年間という限られた時間を有意義に使うには、個々が目指す国立大学の入試問題で測るのが妥当です。高1高2からセンター試験(共通テスト)や進学したい大学の赤本で過去問5年分を解き、解説を読み込み、自分に不足している分野をていねいに点検して習得しましょう。

そして自分をふり返るのです。

1日の過ごし方で改める点はないか。解説で理解できない点はないか。学習と部活動の両立は可能か?誰のために勉強しているのか?そもそも、自分はこの大学に入学するために努力する意志(意地)はあるのかを、問題を通して自問してください。

結論

合格者平均点は振り返る基準です。

赤本を利用して過去問5年分で合格者平均を超える学力を持てるまで頑張れるかを測ってください。最初から解ける人はいません。早々とあきらめないでくださいね。

合格者平均点は各大学のウエブサイトで公表、共通テストの目標点はBenesseのセンターABCラインを参考にしてください。

追伸:竹下数塾の反復は

教科書準拠問題集、参考書の例題、良質な過去問集など必須問題を、目的を明確にして取り組ませます。模試は扱いません。

例、以下参考資料です。

次の例は熊本大教育学部のセンター試験をベネッセC判定で通過した場合、総合得点最低点で合格するために必要だった2次試験得点率です。41.8%必要でした。2次試験の合格者平均点は44%なので、およそ合格者平均必要だと推定します。

情報
熊本大教員養成 前期日程
センター 満点 450
最高点 357.70
最低点 283.60
平均点 318.95

個別試験 満点 300
最高点 165.00 得点率55%
最低点 93.00   〃  31%
平均点 132.12   〃    44%

総合得点 満点 750
最高点 483.70
最低点 420.50
平均点 451.07

Benesseのセンターライン
A 325
B 310
C 295
考察
  1. センター最低点者(BenesseC-12点)が総合最低点で合格したとして、
    420.5-283.6=137点。
    ※ 個別試験の平均点132点+5点に相当
  2. センター最低点者(〃)が総合平均点で合格したとして、
    451.07-283.6=167.47
    ※ 個別試験最高得点165+2点に相当。いなかった。
  3. センター最高点者が個別最低点で合格したとして、
    357.7+93=450.7点。
    ※ 総合得点平均点451点に等しい。
  4. BenesseセンターC判定者が総合最低点で合格したとして、
    420.5-295=125.5点 得点率41.8% < 個別試験平均点の得点率44%
結論
    この大学のこの学科では、
  1. BenesseC判定-12点のD判定からの挽回は個別試験平均点を超える得点力があれば合格は可能だが、総合得点平均点まで得点して合格することはなかった。
  2. BenesseC判定者が個別試験平均点とれるのであれば、合格である。