
アメリカ・プリンストン大学の経済学者 アラン・クルーガー氏は約25年前、特定の大学を対象に合格者と不合格者の「卒業後」を追跡調査した。その結果、少なくとも経済的な面で差異はなかった。
入試に失敗しても挽回は可能である。合格に向け目標を設定した事実がその後の人生で生きてくる。これをスピルバーグ効果という。
映画「ET」などで知られるスティーブン・スピルバーグ氏にちなんでいる。小さい頃読み書きが苦手で学校の授業には興味がなかった。しかし映像表現には興味があった。
12歳で父親の8ミリカメラを手にして以来、わくわくする気持ちは消えなかった。
大学では映画を学ぼうと決意した。第1志望はカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、南カルフォルニア大学(USC)である。しかし不合格。
才能を見抜いた映画制作大手のユニバーサル・ピクチャーズのスタッフがUSCに「信じられない才能を持っている」と特別に入学を許可できないか打診するも拒否された。スピルバーグはカリフォルニア州立大学ロングビーチ校に入る。その後の活躍は人物・作品紹介 ウィキペディアを見ていただければ、あの作品の監督かと思っていただけるはずだ。
3/21金、2025年度入試の合格発表がすべて終わった。第2、第3志望に進学する人もいる。この1年浪人した2名の卒塾生は、いずれも予備校生活の中で志望大・学部が変わった。2浪目に入る人もいる。
過度に悲観する必要はない。能力は日々変化し、個々に体験を重ねるのだから、一時の審査ですべてが決まるはずがない。
私たちはみな毎年、違う人間です。一生、同じ人間だとは思いません。
スピルバーグの言葉である。
最後に竹下から。好きや得意を将来に活かすことを考えよう。4月からの出会いに「新しい自分」を期待しよう。輝いている君が訪ねてくれる日を待っています。
※ この記事は、毎日新聞2025.3.21 金言「スピルバーグ氏も不合格」を元に書きました。