「赤本」「英検◯級 過去問6回問題集」など、入試や検定試験を過去に実施された問題を、本番通りに体験できる問題集があります。年度毎の問題を「過去問セット」と呼ぶことにします。このページでは「過去問セット」の学習法をお伝えします。
1巡理解
2巡習得
3巡合格 の3段階で学習します。
1巡理解
大問ごとに研究
大問ごとに解いて問題研究します。まったく解けないことも多々あります。解説を読むことから始めて構いません。最初に解く時は、理解に徹するのです。
学習のポイント 「抽象化する」
- 「この問題から何を学んだか?他の問題で活かせることは何か?」をノートに残します。
- この作業を竹下は「抽象化する」と呼びます。君は、初見の問題を解けるようになるため勉強しています。ノートに抽象化して、意識下におくのです。
竹下の例
2022共通テスト数学ⅠA大問4(3)では”5^5-625^2は5^5・2^5の倍数である。このことから・・・"の問題文を読んで、私は"このことから"は「こう解け」の指示なのだと抽象化しました。この経験に基づいて新たな問題に取り組むのです。何回も繰り返すうちに、共通テストは、"文中にヒントがある。問題文をそのまま読み、誘導に乗れ"という解き方の方針を実感するでしょう。
- 問題のストーリーを覚えても、他の問題には使えません。
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抽象化(ちゅうしょうか、英: Abstraction、独: Abstraktion)とは、思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
解く順の例
- 2022-1本試から、
- 第1問セット
・第1問のみリーディング、リスニング、数ⅠA、数ⅡB、国語の順に解く。
・まとめて解き、まとめて振り返る
・科目を偏らせない。
・複数の科目を短時間で切り替えていく。これは集中力を下げないため。 - 得点と理解度の10点自己評価を一覧表に記入。
- これを基本に第2問、第3問と続ける。
- 2022-1本試だけでも解き上げるには1週間かかる。6回分あるので6週間近くかかると予想される。
2巡習得
実際に解けるか(習得したか)確かめる
タイムを計測、小問ごとに◯×△を記録、大問ごとに10点評価します。
3巡合格
制限時間8割で本番通り解く
過去問を本番通り解きます。「短時間でミスなく解くこと」を目指します。60分問題なら×0.8=48分にしてマークシートに記入する時間を含めて解くのです。
問題集には4回または6回分の過去問があります。それを自在に解けるように訓練してください。
数学の場合、「計算スピードを上げる、ミスなく解く」は得点力アップのために不可欠です。テスト1回分丸ごと解かないと見えてこない改善点もあります。心身の状態、計算用紙の使い方、マークシートならマークするタイミング、正解問題にも計算や考え方の工夫など、パフォーマンスを上げる余地は不正解の問題にのみあるわけではないのです。