動画は青雲中1の質問への回答。正三角形を描けという問いに、「まず60°の角を作らないと」と思えたらGOOD。
初習者が、習ったばかりの技能を使って、アタマにいい汗かける良質問題だ。
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私はこんな感じで、解決に至った。
- 3辺の長さは等しい → ムリ?
- 三角定規の60°を使えばすぐ描けるけれど → ルール外だろう。
- 60°をどうやって描けるか? → 正三角形を描けばいい。
- しかし、そもそも正三角形を描け、という問題じゃ?
- いやいや、60°を描くための正三角形であればいいのだ!<閃き!>
- 正三角形はどうやって描けばいいのか? →3辺の長さが等しい三角形を描くには・・・
- 互いの中心を通る、同一半径の円で正三角形が描けるぞ!<解決!>
- 点A(60°)を頂点とした二等辺三角形を描けば、それが正三角形だ!<正解が見えた!> という具合だ。60°の角を描ければ、とはすぐに思いついたが、互いの中心を通る同一半径の2円で正三角形を描くと思いついたのは、そんな経験が大昔にあって、コンパスをグルグル回しているうちに気づいた、という感じだ。
どうすれば図形が得意になるのだろう?
それには「できた、できた!」と、たくさんの成功体験を積み重ねるしかない。それも「なぜそれで描けるのか→なるほどね」と検証しながら、だ。竹下のアタマは、上記の5.に至るまで、負荷がかかったスマホのように、カーッと熱くなった!
7.の技能(作図法)自体は授業で学ぶだろう。でも、7.のアイディアを思い付かねば、この技能は役に立たない。この問題の「ひねり」をほぐすには、1.から5.の試行錯誤が竹下には必要だった。
ギターの奏で方を見たことがあっても、、、
コード(和音)の押さえ方を知っていても、ギターは弾けない。さまざまな練習、試行錯誤があってギターは弾ける。これと同じで、図形が得意になるには、技能がどう使われているか、少しだけ「ひねり」が入った問題で、試行錯誤し「ひねり」をほぐす練習が必須だ。
今すぐできること。
技能の習得は当たり前。本問レベルの少しだけ「ひねり」が入った問題のほぐし方を、参考書のページをめくり、解法がさっと思いつけるまで反復しよう。できた問題は外していく。同じ問題でいい。わからなかったら答えは見ていい。英単語帳をめくり、暗記できているか次から次へとチェックするように取り組むんだ。
やめてほしい勉強法は、、、
ゼロから試行錯誤すること。ギターで例えると、ドミソという和音をどう押さえるか、自分で作ろうとしているようなもの。教則本に載っているコードを押さえる練習をした方が手っ取り早いし、応用が効く。時間をもうひとひねり混み入った問題を解くことに使おう。
好きになれたら、よいね。
試行錯誤は「なぜこうなっているのだろう」「こうだったらいいのにな」「こうしたいな」といった内発的な動機から生じる。それは「なるほどね」「一体これはなぜ?」と納得しながら学ぶ、疑問を持つという行為の所産だ。
学習は反復によって身につけることができる。が、繰り返せばなんとかなるのは、所詮そのレベルの事柄にすぎない。
未知なる事柄へ、能動的に対処する姿勢を身につけたければ、自力で半分以上解決できるレベルから段階的に取り組むことだ。試行錯誤することに慣れ、それが普通になり、未知なる事柄へ対処する姿勢が楽観的になれる。好きなことには没頭できる。続けていけば自信となって、勉強が好きになると思う。自信とは「マチガイなく自分はうまくやることができるという自己評価」。竹下が気に入っている解釈だ。好きになれたら、よいね。