2023年5月30日火曜日

巡回学習の方法 東高Kさん広島大医学部、東高Mくん大阪大文学部 進学 

東高Kさん、夏休みまでに数学の基本事項集を3回反復したんです。すると成績がイッキに上がって東大医学部を狙える学力になりました。

そう話すのは、広島大医学部進学のKさん。

長崎東高時代の学力は県のトップクラス。現役では東大理Ⅲを受験した。浪人して予備校の先生から、夏までに基本問題集をマスターするようアドバイスを受けた。忠実に守って結果を出した。

Kさん 医学部進学後もたびたび遊びに来て生徒さんに勉強を教えた。
基本事項集。現在は塾の本棚にある。

在塾中はチャートを解き進めた。定期考査前には学校の問題集もチャートもすべて解き直していた。

高2からは東大入試問題集も解き進めた。県トップクラスのKさんは膨大な時間とエネルギーを一問に注ぎ込む。そんなKさんでさえ、

現役のときは難しい問題ばかり解いて基本が抜けていたんですね。

と振り返っていた。

勉強にノウハウがあるのか? Kさんへの指導の反省から、私自身も模索していた。そして、山口真由さんの「7回読み勉強法」に出会った。

間違えるのは当たり前、ただ正答と解説を記憶に残せ。

「7回読み学習法」はアドバイスする。私にとって画期的だった。

  • 最初に問題集を解くときには間違えるのは当たり前。
  • だから自分の出した答えが違ったとしても分析せず、
  • ただ正答に付された解説を読むだけ。
  • 正答とその解説だけが記憶に残せ。

さらに続く。

  • 誤答のチェックをするのは、全問題を少なくとも5回以上解いたあと。その時点になると、全体的な理解も進んでいて、正答のほうが多くなっています。 正答率8割、誤答率2割くらいになってから、自分の間違った問題について分析するというのが、もっとも効率的なのでないかと思います。


東高Mくん、過去問10年分を初巡半年で巡回。阪大文学部合格。

中3受験生に勉強を教えてくれた高3当時のMくん。

次年度、長崎東高2年Mくんが入塾した。「7回読み勉強法」にヒントを得て、Mくんには初巡(一巡め)の学習は、わからなかったら積極的に解説を読んで、理解することに専念するルールで取り組んでもらった。高2の2016.12月に解き始め、高3の6月高総体ごろまで、初巡を完成するのにおよそ半年かかった。

でも、2巡め以降は1ヶ月で巡回した。

高総体後10月までの4か月間で4巡、合わせて5巡した。2巡め以降は、初巡の6倍以上のスピードで巡回したのだ。巡回しながら理解を確実にすればよい。巡回速度はどんどん早くなった。Mくんは大阪大文学部に現役合格した。

まず一巡。初巡の「垣根」は徹底的に低く。

初巡はきつい。前述のKさんのように、真正面から向かい合おうとするほどきつい。だから、積極的に解説を読み、理解に徹する。初巡の「垣根」を徹底的に押さえながら進む。半年1年といった長期間の計画ゆえにそう取り組ませるのだ。

小6中3高3に関わらず、上級学校受験生や英検数検の受検生に私は、1巡理解、2巡確認、3巡本番と説く。3巡めから本番同様に取り組めれば良い。4巡、5巡と続けていくとやがて正答率100%に達する。時間は加速的に短縮する。

そうなると信じて、君の勉強にも試してみてほしい。


後記----------
二人は東高のトップ層である。彼らがこのように対処できるのは、彼らにその能力があるからだ。

でも、それだけか? 君には、出来ないことを出来るようにする能力はないのか? 私は能力というより、マインドの差だと感じる。マインドと私が呼ぶのは、それまでのどんな経験をし、悔しかったこともうれしかったことも昇華して、未来に向けて前向きに取り組むエネルギーとする心構えだ。「自信」つまり自分を信じる力とか、続ける力とも言えよう。

小さな小さな成功体験の積み重ねがマインドを形成する。年少期の小さな一歩に始まって、日常的に少しずつ堆積し形作られてきた。

ただそれは、気に入らなければいくつからでもやり直しできる。そのとき必ず巡回学習が必要になる。小さくていい、できることから始めてたくさんの「合格」を積み重ね、「自信」をつけてほしい。